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コロナで追加された「失業保険の特例」

コロナで追加された「失業保険の特例」

コロナ影響で失業した人向けに、失業保険の特例が設けられています。離職の理由がコロナによるものであり、かつ雇用保険の被保険者であった人は、失業手当をもらえる期間が長くなったり、一定の期間を置かなくてもすぐにもらえる可能性があります。

失業手当の給付日数が60日間延長される

受給期間が最大3年延長可能になる

自己都合退職でもすぐ受給可能になる

失業手当の給付日数が60日間延長される

新型コロナウイルス(以下「コロナ」)により失業する人、仕事探しが長期化する人への対応として、条件を満たせば、失業手当(正しくは「雇用保険の失業等給付の基本手当」。以下「失業給付」)をもらえる期間が60日(一部30日)延長されることになりました。

延長となる対象者の条件とは

今回は、緊急事態宣言後のみでなく、その前に離職した人でも、求職期間がコロナで長期化することを考慮する狙いがある特例です。

具体的な対象者は、積極的に求職活動をしている人のうち、下記1~3のいずれかの条件を満たし、かつ、すでに失業手当(基本手当の所定給付日数)をもらっている人、または、これからもらう人で、所定の受給終了日が、令和2年6月12日以降にあたる人です。

地域にかかわらず、全国一律で下記の日付で判断されます。また、就職困難者は当初から所定給付日数が長いため、対象となりません。

  1. 令和2年4月7日以前(緊急事態宣言前)に離職した人(離職理由は問わない)
  2. 令和2年4月8日~5月25日に離職した人(特定受給資格者※1、特定理由離職者※2)
  3. 令和2年5月26日以降に、新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた特定受給資格者※1、特定理由離職者※2

※1)特定受給資格者…倒産、解雇などの理由により離職するしかなかった人
※2)特定理由離職者…①労働期間が契約により定められていて、更新希望をしたのにも関わらず更新されず離職した人 ②転居、婚姻などによる自己都合で離職した人

特例適用後の給付日数

給付日数は、雇用保険に加入していた期間により異なります。また、一般の受給資格者と、特定理由離職者、特定受給資格者でも異なりますので、下記の表を参考にしてください。

■一般受給資格者の特例適用後の給付日数

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また、特定理由離職者・特定受給資格者(※前述)で、以下の条件に当てはまる場合、延長期間は30日となるので注意が必要です。

・35歳以上45歳未満で給付日数270日の人

・45歳以上60歳未満で給付日数330日の人

■特定理由離職者、特定受給資格者の特例適用後の給付日数

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受給期間が最大3年延長可能になる

コロナ感染が原因で30日以上働けない場合、本来の受給期間に働けない期間がプラスされる特例ができました。

特例の対象は、本人がコロナに感染している疑いのある症状(※1)がある人や、感染していなくても感染拡大防止の観点からハローワークへの来所を控える人、コロナの影響で子(※2)の養育が必要となった人などにより、30日以上働くことができなかった場合には、本来の失業保険受給期間(離職日から1年間)に、働けなかった期間の日数(最大3年)を加えることができるようになりました。

注意したいのは、この措置は受給期間の延長であり、基本手当の給付日数が延長されるわけではないこと、働けなかった期間は失業保険給付の対象にはならないということです。

※1 風邪の症状や発熱がある、強い倦怠感や息苦しさがあるなど

※2 小学校、義務教育学校、特別支援学校、放課後児童クラブ、幼稚園、保育所、認定こども園などに通学、通園するものに限る

自己都合退職でもすぐ受給可能になる

通常、自己都合での退職の一般受給資格者の場合、離職票を提出して求職の申し込みを行った日(受給資格決定日)から7日間は待機期間、その後3か月の給付制限期間(※5)があり、給付制限期間の間には失業給付はもらえません。

しかし、コロナの影響で自己都合で離職した一般受給資格者は、特例により「特定理由離職者」とすることで、給付制限期間はなく、すぐに手当が支給されることになりました。

ただし、この場合の自己都合とは以下のものを指します。

① 同居の家族がコロナに感染したことなどにより、看護や介護が必要となったことから自己都合で退職をした

② 本人の職場で感染者が発生した、または本人もしくは同居の家族が基礎疾患を有する、妊娠中である、もしくは高齢であるため、感染拡大防止や重症化防止の観点から自己都合として退職した

③ コロナの影響で子ども(小学校、義務教育学校、特別支援学校、放課後児童クラブ、幼稚園、保育所、認定こども園などに通学、通園している)の養育が必要となったことから自己都合で退職した

※5:一般受給資格者の給付制限期間は、令和2年10月1日以降に離職した人は、5年間のうち2回までは2か月ですが、5年間のうち3回目以降は3か月となります。また、令和2年9月30日までに離職した人は、回数に関わりなく、3か月の給付制限期間です。そして、法令違反や社内規定違反、会社に損害を与えたなど、自己の責めに帰すべき重大な理由で解雇された人は、これまでどおり3か月となります。

新型コロナの影響で成立した今回の雇用保険特例法。

コロナ禍の中で、やむなく離職をしなければならなくなった人には心強い特例となっています。

この記事を読んで、「自分も当てはまるかも」と思った方は、ぜひハローワークに相談してみてください。

失業保険の受給資格や支給額など詳しい仕組みを知りたい人はこちらの記事を参考にしてみてください。

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